ビタースイート Bitter Sweet(公開時タイトル「濃厚不倫 とられた女」)

ビタースイート Bitter Sweet(公開時タイトル「濃厚不倫 とられた女」)

12月10日(土)より哀切のレイトロードショー
連日夜9時より
劇場窓口他にて特別鑑賞券発売中\1,000(当日\1,200)
※女池監督特集期間中、半券提示でリピーター割引(\1000)あり。
★初日オールナイト他、イベント開催予定 

ポレポレ東中野
JR東中野駅西口北側出口より徒歩1分
03-3371-0088

「あのまま結婚してたら、普通に幸せだったのに・・・」

それは、運命的な一夜の過ちから始まった。
結婚を間近に控えた女は、狂おしくも恋の虜になり、妻子もちのレストランのオーナーは、女の盲目的な愛に戸惑いながらも人生の岐路に立つ。そして、その妻の人生を変える出来事に発展する。
妻もかつて、夫に言えない過ちを犯していたのだった・・・。

本作は<セックスから始まる恋愛>を愛しくも切なく、そして官能的に描いた、大人の恋愛ドラマの傑作である。ビターとスイート、人生の苦味と甘さ。若い女のスイートな可憐さと、妻の今までの人生を感じさせるビターな気高さに、激しく揺れ動くもう若くない男のセンチメンタルな憧憬を、丁寧に切りとってみせる。

監督は女池充(36)。主にサトウトシキ監督作品の助監督を経て、28歳でピンク映画デビュー。8作目の本作を撮り終え、文化庁の留学制度でニューヨークへ映画修行に出た。本年10月帰国。
脚本は西田直子。田尻裕司、女池充ら若手のピンク監督らと多く組み作品を発表。本作は彼女の初期作品で以前より映画化を切望されていた、珠玉の名作と言われている。
主演は本作が本格的な映画初主演となる向夏(こなつ)。おさえる事もできない恋愛感情に、正直に生きようとする女性の心理を初々しく表現。また、相手役の石川KIN(均)は、本業は監督(『JAM FILMS S/ブラウス』他)であるが、望月六郎監督初の一般映画『スキンレスナイト』での好演は、映画ファンの間では伝説となっている。他に、惜しくも6月に急逝した林由美香が初の子持ちの主婦役を演じ新境地を見せたことも話題のひとつだ。

なお、本作は2004年9月にピンク映画館で一度公開されているが、その完成度の高さから一般劇場での公開が待ち望まれてのロードショーとなる。

コメント
この作品には、“ふたつの耐えられない重さ”がある。物語の中の人間関係の重さと、それを表現しきった林さんがもうこの世にいないという現実の重さだ。でも、見てよかった。そう思う。
―――――――――香山リカ(精神科医)

揺れる男女の心を見事に描き、成瀬己喜男の映画を見ているよう。女池充監督、あなどれないぞ。
―――――――――快楽亭ブラック(落語家)